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サンプルコードなどの既知シークレット流用、サイト侵害の原因に

出典: Security NEXT – https://www.security-next.com/176517

サンプルコードの既知シークレット流用によるサイト侵害のリスク

近年、ウェブアプリケーションの開発において、サンプルコードやフレームワークに含まれる既知の「シークレット」(パスワードやトークン、暗号鍵など)がそのまま本番環境で使われる事例が増えています。これにより、サーバーが第三者に侵害され、重大なセキュリティ被害が発生するリスクが高まっています。

主要なポイント

  • 既知シークレットの流用による脆弱性
    フレームワークやサンプルコードにデフォルトで設定されているパスワードや暗号鍵などのシークレットが、そのまま本番環境で使用されているケースが確認されています。これらは第三者に容易に推測されるため、攻撃の入り口となります。
  • サーバー侵害の実例と被害
    特に「ASP.NET」のマシンキーが悪用される事例が海外で報告されており、任意のコード実行など深刻な被害に発展しています。国内でも同様の被害が今後発生する可能性があります。
  • 国内の影響範囲
    2025年10月時点で国内の被害報告はないものの、少なくとも1400件以上のサイトが同様のリスクにさらされていると推定されており、早急な対策が求められています。
  • 対策の推奨とツールの活用
    JPCERTコーディネーションセンターは、脆弱なシークレットの使用有無を確認し、必要に応じて変更することを強く推奨しています。また、「Symfony」「Laravel」「Django」「Ruby on Rails」「JSON Web Token(JWT)」など複数の環境でシークレットの脆弱性を検査できるライブラリも公開されており、これらの活用も呼びかけられています。

技術的な詳細と背景情報

「シークレット」とは、アプリケーションの認証や暗号化に用いられる秘密情報の総称で、パスワード、APIトークン、暗号鍵、署名用のキーなどが含まれます。これらは外部に漏れないよう厳重に管理されるべきですが、開発効率を優先するあまり、サンプルコードやフレームワークのデフォルト値をそのまま使用してしまうケースがあります。

特に「ASP.NET」のマシンキーは、セッションの暗号化や検証に用いられ、これが既知の値の場合、攻撃者はセッションを偽造したり、任意のコードを実行することが可能になります。同様に、「Symfony」「Laravel」「Django」「Ruby on Rails」などの主要なウェブフレームワークや「JSON Web Token(JWT)」の署名鍵も、既知の値を使うとセキュリティが破られやすくなります。

影響や重要性

シークレットの流用は、単なる情報漏洩にとどまらず、サーバーの完全な制御権を攻撃者に奪われる可能性があります。これにより、ウェブサイトの改ざん、ユーザーデータの窃取、マルウェアの設置など多大な被害が発生し、企業の信用失墜や法的責任に発展する恐れがあります。

国内においても、1400件以上のサイトが既知シークレットのリスクを抱えているとされ、今後の被害拡大を防ぐためには、早急な検査と対策が不可欠です。JPCERT/CCの呼びかけに応じて、シークレット管理の徹底と脆弱性検査ツールの導入が重要となります。

まとめ

サンプルコードやフレームワークの既知シークレットをそのまま本番環境で使うことは、重大なセキュリティリスクを招きます。攻撃者によるサーバー侵害や任意コード実行の被害を防ぐため、開発者や運用者は自社システムのシークレット設定を見直し、適切な管理を徹底する必要があります。JPCERT/CCが提供する検査ツールの活用も効果的な対策となるため、積極的に導入しましょう。

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