出典: Security NEXT – https://www.security-next.com/177296
フォトクリエイトの個人情報流出事件:フィッシングを契機とした不正アクセスの全貌
キタムラ・ホールディングス傘下のフォトクリエイトが運営するインターネット写真サービスにおいて、ウェブサーバへの不正アクセスにより顧客の個人情報が流出した可能性が明らかになりました。本記事では、事件の経緯と技術的背景、影響および今後の対策について詳しく解説します。
主要なポイント
- フィッシングメールの発覚:2025年7月、顧客からの問い合わせで一部登録メールアドレスにフィッシングメールが送信されていることを把握。
- ウェブサーバの不正アクセス:フォレンジック調査の結果、ソフトウェアの脆弱性を突かれ、不正プログラムが設置・稼働していたことが判明。
- 個人情報の流出可能性:氏名、住所、電話番号、生年月日、性別、メールアドレス、パスワード、ニックネームが流出した恐れがある。
- ダークウェブ上の犯行声明:同社の個人情報を保有しているとする声明がダークウェブに投稿されていることを確認。
- 対応策と再発防止:脆弱性は解消済みで、顧客へパスワード変更の通知を行い、個人情報保護委員会や警察にも報告・相談済み。
技術的な詳細や背景情報
今回の不正アクセスは、フォトクリエイトのウェブサーバに存在したソフトウェアの脆弱性を悪用したものです。脆弱性とは、ソフトウェアやシステムに存在するセキュリティ上の弱点であり、攻撃者はこれを利用して不正にシステムへ侵入します。
侵入後、攻撃者はウェブサーバ上に不正プログラムを設置し、顧客情報を収集・外部へ送信していた可能性があります。さらに、流出した情報を利用してフィッシングメールを送信し、さらなる被害拡大を狙ったと考えられます。
また、流出情報の一部がダークウェブに投稿されたことは、攻撃者が情報を第三者に売買または公開している可能性を示しています。ダークウェブは匿名性が高く、違法な情報取引の温床となっているため、流出情報の拡散リスクが高まります。
影響や重要性
今回の事件は、顧客の氏名や住所、電話番号などの基本的な個人情報に加え、パスワードも流出した可能性がある点で深刻です。パスワードの流出は、他サービスで同一パスワードを使い回している場合、複数のアカウントが乗っ取られるリスクを高めます。
さらに、フィッシングメールの送信により、被害者が偽サイトに誘導され、さらなる情報漏洩や金銭的被害が発生する恐れもあります。企業側の迅速な対応と顧客への注意喚起が重要となります。
また、個人情報保護委員会や警察への報告・相談は、法的義務の履行だけでなく、被害拡大防止や今後のセキュリティ強化に向けた重要なステップです。
まとめ
フォトクリエイトの個人情報流出事件は、ソフトウェアの脆弱性を突いた不正アクセスとフィッシングメールを契機に発覚しました。顧客の重要な個人情報が流出した可能性があり、同社は速やかに脆弱性の解消と被害拡大防止に努めています。
利用者はパスワードの変更を早急に行い、他サービスでの使い回しを避けることが推奨されます。企業においては、定期的な脆弱性診断と監視体制の強化が再発防止の鍵となるでしょう。





