出典: Cybersecurity JP – https://cybersecurity-jp.com/news/111472
海外グループ会社利用のクラウドサービスがゼロデイ攻撃を受け情報漏えい懸念|株式会社サトー
2025年11月10日、株式会社サトーは海外グループ会社が利用するクラウドサービス環境において、未発見の脆弱性を狙ったゼロデイ攻撃を受け、取引先の個人情報を含むデータ漏えいの懸念があることを発表しました。
主要なポイント
- ゼロデイ攻撃の発生:2025年10月12日にサービスプロバイダーから報告を受け、実際には2025年7月から準備的な兆候、8月に初回侵入が確認されていました。
- 漏えい懸念のデータ内容:氏名、メールアドレス、住所、電話番号などの個人情報に加え、受発注、出荷、配送、売掛金・買掛金に関わる業務データも含まれています。
- 攻撃手法の特徴:新たに発見された脆弱性を悪用するゼロデイ攻撃であり、脆弱性発見から修正パッチ提供までの間に攻撃が行われました。
- 影響範囲の広さ:米国、シンガポール、マレーシア、欧州、英国など複数の海外グループ会社に影響が及ぶ可能性があります。
- 対応と再発防止策:漏えい対象者への個別連絡と公表通知を行い、サービスプロバイダーと協力して再発防止に努める方針です。
技術的な詳細や背景情報
ゼロデイ攻撃とは、システムやソフトウェアに存在する未知の脆弱性(ゼロデイ脆弱性)を悪用するサイバー攻撃のことです。通常、脆弱性が発見されると開発者は修正パッチを提供しますが、そのパッチが公開されるまでの期間は防御が不十分な「無防備状態」となります。この期間に攻撃者が脆弱性を利用して不正アクセスを行うのがゼロデイ攻撃の特徴です。
今回のケースでは、クラウドサービスを管理するサービスプロバイダーのシステムに新たな脆弱性が存在し、これを利用して攻撃が行われました。クラウドサービスは複数の企業が共有する環境であるため、一つの脆弱性が広範囲に影響を及ぼすリスクがあります。
影響や重要性
今回の情報漏えい懸念は、個人情報だけでなく業務に関わる重要なデータも含まれているため、企業の信用問題や取引先との信頼関係に大きな影響を与える可能性があります。また、複数国にまたがる海外グループ会社が関与しているため、各国の法令に基づく対応や報告義務も複雑化します。
さらに、ゼロデイ攻撃は発見・対処が難しく、被害拡大を防ぐためには迅速な情報共有と協力が不可欠です。今回の事例は、クラウドサービスのセキュリティ管理の重要性と、サプライチェーン全体でのリスク管理の必要性を改めて示しています。
まとめ
株式会社サトーの海外グループ会社が利用するクラウドサービスで発生したゼロデイ攻撃は、個人情報や業務データの漏えい懸念を引き起こしました。ゼロデイ攻撃は未知の脆弱性を狙うため防御が難しく、今回の事例はクラウド環境のセキュリティ対策強化の重要性を浮き彫りにしています。企業は迅速な対応と透明性のある情報開示、そしてサービスプロバイダーとの連携を通じて再発防止に努める必要があります。





