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英国で詐欺的スパムSMS送信者に20万ポンドの罰金、約100万通送信で摘発

出典: Graham Cluley – https://www.bitdefender.com/en-us/blog/hotforsecurity/spam-text-scammer-fined-200-000-for-targeting-people-in-debt-after-sending-nearly-one-million-messages

原題: Spam text scammer fined £200,000 for targeting people in debt, after sending nearly one million messages

英国で詐欺的スパムSMS送信者に20万ポンドの罰金措置

英国情報コミッショナー事務局(ICO)は、約100万通もの詐欺的スパムSMSを送信した個人事業主に対し、20万ポンド(約26万米ドル)の罰金を科しました。被害者の多くはすでに債務に苦しむ人々であり、虚偽の債務救済オファーで狙われていました。

主要なポイント

  • 大量のスパムSMS送信:バラット・シン・チャンド氏は「SIMファーム」と呼ばれる装置を使い、2023年12月から2024年7月の間に約966,449件の無断スパムメッセージを送信しました。
  • 経済的に困難な人々を標的:メッセージは「利息や手数料の凍結」や「債務帳消し」を謳い、特に債務に苦しむ人々の絶望や混乱に付け込む内容でした。
  • 虚偽の商号と未登録番号の使用:「The Debt Relief Team」という実在しない会社名を使い、未登録の携帯番号から送信して発覚を逃れようとしました。
  • ICOの規制と対応:英国では受信者の明確な同意なしにマーケティング目的のテキスト送信は禁止されており、ICOはこの違反に対して厳しい措置を取りました。
  • 控訴中の状況:チャンド氏はICOの決定に対して控訴していますが、ICOは引き続き国民の保護に努めています。

技術的な詳細や背景情報

「SIMファーム」とは、多数のSIMカードを搭載し、大量のSMSを自動的に短時間で送信可能な装置のことです。これにより、低コストかつ効率的にスパムメッセージを大量送信できるため、詐欺グループや悪質なマーケターに悪用されています。

英国のプライバシーおよび電子通信規則(PECR)では、受信者の事前の明確な同意がない限り、マーケティング目的のSMS送信は禁止されています。また、送信者は自らの身元を偽装したり隠したりしてはならず、これも違法行為とされています。

影響や重要性

今回の事例は、経済的に弱い立場の人々を狙った詐欺的スパムの深刻さを示しています。こうしたメッセージは受信者に精神的ストレスや混乱をもたらし、さらに悪質な詐欺被害へとつながる恐れがあります。

また、低コストで自動化された「マイクロスパマー」の存在は、従来の大規模詐欺とは異なる新たな脅威として注目されています。規制当局の厳正な対応が求められるとともに、企業や個人事業主も適切なコンプライアンス体制の構築が必要です。

まとめ

英国ICOによる今回の20万ポンドの罰金措置は、詐欺的スパムSMS送信に対する強い警告です。特に経済的に困難な人々を狙った虚偽の債務救済オファーは許されません。SMSマーケティングを行う際は、必ず受信者の明確な同意を得て、透明性を持って運用することが不可欠です。

もしスパムSMSを受け取った場合は、英国のスパム通報サービス(7726)に転送し、違法行為の早期発見と対策に協力しましょう。

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