出典: Security NEXT – https://www.security-next.com/177446
Apache Causewayに深刻な脆弱性が発見、早急なアップデートが必要
Javaベースのアプリケーション開発フレームワーク「Apache Causeway」において、信頼できないデータのデシリアライズに関する深刻な脆弱性「CVE-2025-64408」が明らかになりました。開発チームは既に修正版をリリースしており、利用者に対して速やかなアップデートを呼びかけています。
主要なポイント
- 脆弱性の内容:「ViewModel」機能を利用する際に、信頼できないデータをデシリアライズする過程で任意のコードが実行される恐れがある。
- 影響範囲:Apache Causewayのバージョン「3.4.0」および「4.0.0-M1」以前のすべてのバージョンが影響を受ける。
- 重要度評価:開発グループは4段階中最高の「クリティカル(Critical)」と評価。一方、米サイバーセキュリティインフラストラクチャセキュリティ庁(CISA)はCVSSv3.1スコア6.3、中程度の重要度と報告。
- 悪用条件:悪用には認証が必要であるものの、アプリケーションの権限で任意のコードが実行されるリスクがある。
- 対応策:脆弱性を修正したバージョン「3.5.0」が公開されており、利用者は速やかにアップデートを行う必要がある。
技術的な詳細と背景情報
Apache CausewayはJavaで構築されたアプリケーション開発フレームワークであり、特に「ViewModel」機能を通じてユーザーインターフェースとデータモデルの橋渡しを行います。今回の脆弱性は、このViewModelのデシリアライズ処理において、外部から渡された信頼できないデータを安全に検証せずに処理してしまう点に起因しています。
デシリアライズとは、保存や通信のためにシリアライズ(データの直列化)された情報を元のオブジェクトに復元する処理ですが、不正なデータをデシリアライズすると、悪意あるコードが実行される危険性があります。今回の脆弱性は、認証済みユーザーが悪用可能であり、アプリケーションの権限で任意のコード実行が可能となるため、非常に危険です。
影響と重要性
Apache Causewayは企業や開発者コミュニティで広く利用されているため、この脆弱性は多くのシステムに影響を及ぼす可能性があります。特に、認証済みユーザーが悪用できる点は、内部からの攻撃や権限の乗っ取りにつながる恐れがあり、情報漏洩やシステム破壊のリスクを高めます。
また、CISAが中程度の重要度と評価しているものの、開発元がクリティカルと判断していることから、実際のリスクは高いと考えられます。したがって、利用者は速やかにアップデートを適用し、脆弱性の悪用を防ぐことが求められます。
まとめ
Apache Causewayの「ViewModel」機能に存在するデシリアライズの脆弱性「CVE-2025-64408」は、認証済みユーザーによる任意コード実行を許す深刻な問題です。開発チームは修正バージョン「3.5.0」をリリースしており、利用者は速やかにアップデートを行うことが推奨されます。安全なシステム運用のために、常に最新のセキュリティ情報を確認し、適切な対策を講じることが重要です。


