出典: Security NEXT – https://www.security-next.com/181666
Apache Rangerにリモートコード実行(RCE)脆弱性が発見される
ビッグデータ基盤のアクセス制御を担う「Apache Ranger」に、リモートから任意のコードを実行される恐れのある脆弱性が確認されました。開発チームは重要度を低く評価する一方、米CISAは高い危険度を指摘しており、評価に大きな差が生じています。
主要なポイント
- 脆弱性の概要:Apache Ranger 2.7.0以前のバージョンにおいて、不適切なコード生成制御が原因で、細工された入力によりリモートから任意のコード実行が可能になる「CVE-2025-59059」が発見されました。
- 評価の違い:開発チームはこの脆弱性を4段階評価で最も低い「低(Low)」としていますが、米サイバーセキュリティインフラストラクチャセキュリティ庁(CISA)はCVSSv3.1のベーススコアを「9.8」とし、最も高い「クリティカル(Critical)」と評価しています。
- 修正版のリリース:脆弱性に対応したApache Ranger 2.8.0が2026年2月27日に公開されており、利用者には速やかなアップデートが推奨されています。
- 影響範囲:Apache RangerはHadoopなどのビッグデータ環境でアクセス制御や監査を一元管理する重要なフレームワークであり、脆弱性の悪用はシステム全体のセキュリティに重大な影響を及ぼす可能性があります。
技術的な詳細と背景
Apache Rangerは大規模データ処理環境におけるアクセス制御や監査を統合的に管理するオープンソースのフレームワークです。今回の脆弱性「CVE-2025-59059」は、コード生成の制御が不適切であったため、外部から細工された入力を受け取ることで、攻撃者がリモートから任意のコードを実行できる状態を作り出してしまいます。
リモートコード実行(RCE)とは、攻撃者が遠隔地から対象システム上で任意のプログラムを実行できる脆弱性を指し、システムの完全な乗っ取りや情報漏洩につながる非常に深刻な問題です。
CVSS(Common Vulnerability Scoring System)は脆弱性の深刻度を数値化する国際的な基準であり、バージョン3.1では0.0から10.0までのスコアで評価されます。今回CISAが9.8と評価したことは、ほぼ最高レベルの危険度を示しています。
影響と重要性
Apache Rangerは多くの企業や組織でHadoopなどのビッグデータ基盤のセキュリティ管理に利用されているため、この脆弱性が悪用されると、重要なデータやシステムの制御権が攻撃者に奪われるリスクがあります。特に大規模データ環境では、アクセス制御の破壊は情報漏洩や業務停止など深刻な被害をもたらす可能性があります。
また、開発チームとCISAの評価に大きな差があることは、脆弱性のリスク判断における視点の違いを示しており、利用者はより慎重に対応する必要があります。
まとめ
Apache Rangerに存在したリモートコード実行の脆弱性「CVE-2025-59059」は、ビッグデータ基盤のセキュリティに重大な影響を及ぼす可能性があります。開発チームは低リスクと評価していますが、米CISAはクリティカルと警告しており、利用者は速やかに最新版のApache Ranger 2.8.0へアップデートすることが強く推奨されます。今後も脆弱性情報に注意を払い、安全な運用を心がけましょう。


