出典: Security NEXT – https://www.security-next.com/176761
Google Chromeの最新アップデートで5件の脆弱性を修正
2025年11月5日、Googleはウェブブラウザ「Chrome」のセキュリティアップデートを公開しました。今回のアップデートでは、Windows、macOS、Linux向けに複数のバージョンが提供され、合計5件の脆弱性が修正されています。
主要なポイント
- 脆弱性の数と重要度:今回修正された脆弱性は5件で、最も高い「クリティカル」レベルは含まれていませんが、3件が「高(High)」、2件が「中(Medium)」の重要度に分類されています。
- WebGPUの脆弱性(CVE-2025-12725):WebGPUにおいて、許可されていないメモリ領域への書き込みが可能となる脆弱性が修正されました。これにより、悪意あるコードがシステムの安定性やセキュリティを損なうリスクが軽減されます。
- ViewsとV8エンジンの脆弱性(CVE-2025-12726、CVE-2025-12727):ChromeのUIコンポーネントであるViewsやJavaScriptエンジンのV8に実装不備が見つかり、それらが修正されました。特にV8はJavaScriptの処理を担う重要な部分です。
- Omniboxの実装不備(CVE-2025-12728、CVE-2025-12729):アドレスバーとして機能するOmniboxに中程度の脆弱性が発見され、これも解消されています。
- 段階的なアップデート展開:アップデートは数日から数週間かけて順次配信される予定で、ユーザーは最新バージョンへの更新を推奨されます。
技術的な詳細や背景情報
今回修正された脆弱性の中で特に注目すべきは「WebGPU」の問題です。WebGPUはブラウザ上で高性能なグラフィックス処理を可能にするAPIで、GPUの計算能力を活用します。ここでの「域外メモリへの書き込み」とは、本来アクセスが許されていないメモリ領域にデータを書き込めてしまう状態を指し、悪用されると情報漏洩やシステムの不安定化を引き起こす恐れがあります。
また、V8エンジンはJavaScriptの実行環境としてChromeの中核を担っており、ここに脆弱性があると悪意あるスクリプトがブラウザのセキュリティ境界を突破する可能性があります。ViewsはChromeのユーザーインターフェースを構成するフレームワークで、ここでの不具合もユーザー体験やセキュリティに影響を与えかねません。
Omniboxはアドレスバー兼検索バーとして機能し、ここでの実装不備はフィッシングや情報漏洩のリスクを高める可能性があります。
影響や重要性
Chromeは世界中で最も利用されているウェブブラウザの一つであり、そのセキュリティ脆弱性は広範囲に影響を及ぼします。今回のアップデートはクリティカルな脆弱性は含まれていないものの、「高」レベルの脆弱性が含まれているため、速やかな更新が推奨されます。
特にWebGPUやV8エンジンの脆弱性は、攻撃者がブラウザを介してシステムに侵入する足掛かりとなる可能性があるため、ユーザーの安全を守るためにも重要な修正です。
まとめ
GoogleはChromeの最新アップデートで5件の脆弱性を修正し、ユーザーの安全性を向上させました。特にWebGPUやV8エンジン、Omniboxなどブラウザの重要なコンポーネントに関わる問題が解消されています。クリティカルな脆弱性は含まれていないものの、「高」レベルの脆弱性が存在するため、ユーザーは速やかにアップデートを適用することが推奨されます。今後も定期的なブラウザの更新を怠らず、最新のセキュリティ対策を維持しましょう。





