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「FortiOS」に3件の脆弱性 – アップデートで修正

出典: Security NEXT – https://www.security-next.com/177417

FortiOSに3件の脆弱性が発見、アップデートで修正

Fortinetは2025年11月18日、ネットワーク機器向けOS「FortiOS」に関する3件の脆弱性を修正したアップデートを公開しました。これらの脆弱性は特定の条件下で悪用される可能性があり、ユーザーは速やかな対応が求められています。

主要なポイント

  • 脆弱性の概要:「CAPWAPデーモン」における細工されたパケットによるスタックベースのオーバーフローが原因の脆弱性が2件(CVE-2025-58413、CVE-2025-53843)判明。
  • 重要度評価:3件とも4段階中3番目の「中(Medium)」と評価されているが、悪用には高度な条件が必要。
  • CVE-2025-58413の特徴:認証なしでの悪用が理論上可能だが、承認済みのFortiAPを制御し隣接ネットワークからアクセスする必要がある。さらに、ASLR(アドレス空間配置のランダム化)などのメモリ保護機能を無効化しなければならない。
  • CVE-2025-53843の特徴:悪用には権限が必要で、FortiAPやFortiExtenderを装うなど攻撃準備に大きな労力が必要。メモリ保護機能も存在する。
  • 対応策:Fortinetはアップデートでこれらの脆弱性を修正しており、ユーザーは速やかに最新版への更新を推奨。

技術的な詳細や背景情報

今回の脆弱性は「CAPWAPデーモン」に関連しています。CAPWAP(Control And Provisioning of Wireless Access Points)は、無線アクセスポイントの管理を行うプロトコルで、FortiOSではこれを用いてFortiAPなどのデバイスを制御しています。スタックベースのオーバーフローは、プログラムのメモリ上のスタック領域に過剰なデータを書き込むことで発生し、悪用されると任意のコード実行やシステムのクラッシュを引き起こす恐れがあります。

また、ASLR(Address Space Layout Randomization)はメモリの配置をランダム化して攻撃を困難にする保護機能であり、これを無効化する必要がある点からも攻撃の難易度が高いことが分かります。さらに、攻撃者がFortiAPやFortiExtenderを装う必要があるため、内部ネットワークに一定のアクセス権限を持つことが前提となります。

影響や重要性

FortiOSは多くの企業や組織のネットワークセキュリティを支える重要なOSであり、これらの脆弱性が悪用されるとネットワークの制御権を奪われるリスクがあります。ただし、今回の脆弱性は悪用に高度な条件や準備が必要なため、即座に大規模な被害が発生する可能性は低いと考えられます。しかし、攻撃者が内部ネットワークに侵入している場合や、他の脆弱性と組み合わせることで深刻な影響を及ぼす可能性もあるため、迅速なアップデート適用が重要です。

まとめ

FortinetのFortiOSにおける3件の脆弱性は、特定条件下でのスタックベースのオーバーフローに起因し、認証なしでの悪用や権限を要する攻撃が可能です。攻撃は難易度が高いものの、ネットワークの安全性を確保するために、Fortinetが提供するアップデートを速やかに適用することが推奨されます。ネットワーク管理者は今回の情報を踏まえ、適切な対策を講じることが求められます。

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