出典: Security NEXT – https://www.security-next.com/176893
「NVIDIA App」インストーラに脆弱性発覚 – 権限昇格のリスク
Windows向けのドライバ管理ツール「NVIDIA App」のインストーラに、権限昇格の脆弱性が見つかりました。NVIDIAはこの問題を受けてアップデートを公開し、ユーザーに早急な適用を呼びかけています。
主要なポイント
- 脆弱性の内容(CVE-2025-23358): インストーラの検索パスに問題があり、悪意のあるファイルが読み込まれることで、攻撃者が権限を不正に昇格させたり任意のコードを実行したりする恐れがあります。
- 脆弱性の評価: 共通脆弱性評価システム(CVSSv3.1)によるベーススコアは8.2で、「高(High)」の重要度と評価されています。これは4段階中2番目に高いレベルです。
- 対応状況: NVIDIAはWindows向けに「NVIDIA App 11.0.5.260」をリリースし、ユーザーに対してアップデートの適用を強く推奨しています。
- 影響範囲: NVIDIA Appを利用しているWindowsユーザーが対象であり、特に管理者権限を持つ環境ではリスクが高まります。
技術的な詳細や背景情報
今回の脆弱性は「検索パスの問題」に起因しています。検索パスとは、プログラムが必要なファイルやライブラリを探す際の優先順位や場所のことです。この脆弱性では、インストーラが信頼できない場所からファイルを読み込んでしまう可能性があり、攻撃者が細工したファイルを配置することで、プログラムの実行権限を乗っ取ることが可能になります。
権限昇格とは、通常よりも高い権限(例えば管理者権限)を不正に取得することを指し、これによりシステムの制御を奪われるリスクが生じます。攻撃者はこの脆弱性を利用して、マルウェアのインストールやシステムの改ざんを行う恐れがあります。
影響や重要性
この脆弱性は、NVIDIAのドライバ管理ツールを利用する多くのWindowsユーザーに影響を及ぼします。特に企業や組織のPC環境では、管理者権限を持つユーザーが多いため、攻撃成功時の被害が甚大になる可能性があります。
また、権限昇格の脆弱性は攻撃者にとって非常に魅力的な攻撃経路であり、他のマルウェア感染や情報漏洩の足掛かりとなることが多いです。したがって、速やかなアップデート適用がセキュリティ維持に不可欠です。
まとめ
「NVIDIA App」のインストーラに発見された「CVE-2025-23358」の脆弱性は、検索パスの問題により権限昇格や任意コード実行のリスクを伴います。NVIDIAは既に修正版をリリースしており、ユーザーは速やかにアップデートを適用することが推奨されています。特に管理者権限を持つ環境では、この脆弱性を放置すると深刻な被害につながる可能性があるため、注意が必要です。


