出典: The Hacker News – https://thehackernews.com/2025/10/a-new-security-layer-for-macos-takes.html
原題: A New Security Layer for macOS Takes Aim at Admin Errors Before Hackers Do
macOSの管理ミスを防ぐ新たなセキュリティ層「DAC」ベータ版がThreatLockerから登場
ThreatLockerは、macOSにおける設定ミスや管理の甘さを検知し、修正を促す新機能「DAC(Discretionary Access Control)」のベータ版を公開しました。これにより、Mac環境でもWindows同様のセキュリティ可視化と管理が可能になります。
主要なポイント
- 設定ミスが攻撃の入り口に:macOSのマイクやカメラのアクセス許可、古いネットワークプロトコル(SMB v1)など、設定の甘さが攻撃者に悪用されるリスクが日常的に存在します。
- DACの役割:ThreatLockerのDACは、macOS上の脆弱な設定を定期的にスキャンし、リスクのある項目を可視化。管理者が迅速に対応できるよう支援します。
- 対象となる主要コントロール:ディスク暗号化(FileVault)、内蔵ファイアウォール、共有設定、管理者アカウントの管理、自動アップデート、Gatekeeper設定など幅広い項目をカバー。
- セキュリティフレームワークとの連携:CIS、NIST、ISO 27001、HIPAAなどの主要なセキュリティ基準にマッピングされており、準拠状況の把握と改善が容易に。
- Windowsとの統合ダッシュボード:既存のThreatLockerエージェントを活用し、WindowsとmacOSの両方の設定状況を一元管理可能。
技術的な詳細や背景情報
macOSはクリエイティブ業界で広く使われていますが、設定の見落としや古いプロトコルの利用など、セキュリティ面での隙間が存在します。例えば、SMB v1は高速で便利な反面、既知の脆弱性があり、インターネットに接続された環境では数分で攻撃される恐れがあります。
ThreatLockerのDACは、既存のエージェントを使って1日に最大4回のスキャンを実施し、FileVaultの暗号化状況やファイアウォールの有効化状態、リモートアクセス設定、管理者アカウントの有無などをチェック。検出結果はカテゴリ別に整理され、具体的な修正手順とセキュリティフレームワークへの対応状況も示されます。
影響や重要性
Macを利用する組織にとって、セキュリティの可視化は急務です。特に動画編集やデザイン制作などのクリエイティブ業務では、Mシリーズプロセッサ搭載のMacが主力ですが、セキュリティ管理はWindowsに比べて遅れがちでした。
DACの導入により、暗号化されていないドライブや無効化されたファイアウォール、過剰な権限を持つ管理者アカウントなど、攻撃者が狙う脆弱性を事前に発見し対処可能に。これにより、組織はセキュリティフレームワークの遵守や保険要件の達成をスムーズに進められます。
さらに、DACは単なる検出ツールにとどまらず、ThreatLockerのポリシー管理と連携して問題の修正まで支援。設定の可視化が真のセキュリティコントロールへの第一歩となる点が重要です。
まとめ
ThreatLockerのmacOS向けDACベータ版は、設定ミスによるセキュリティリスクを可視化し、迅速な対応を促す画期的な機能です。Windowsで実績のあるDACをmacOSに拡張することで、Mac環境でも統合的なセキュリティ管理が実現します。クリエイティブ業界をはじめ、多くのMacユーザーにとって、設定の甘さを狙う攻撃から守る強力な味方となるでしょう。


