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アスクル、手動出荷を試験運用 – 一部医療介護顧客で開始

出典: Security NEXT – https://www.security-next.com/176524

アスクル、ランサムウェア被害後に手動出荷を試験運用開始

アスクルは、ランサムウェアによるサイバー攻撃で倉庫管理システムが停止した問題を受け、一部医療介護顧客向けに手動での商品出荷を試験的に開始しました。従来のシステムが復旧していないため、ファックスを活用した新たな出荷スキームを構築しています。

主要なポイント

  • ランサムウェア攻撃によるシステム停止:アスクルの倉庫管理システムがサイバー攻撃により停止し、通常の受注・出荷業務が不能に。
  • 手動出荷の試験運用開始:2025年10月29日より、医療機関や介護施設の一部顧客向けに、ファックスを用いた手動出荷を試験的に開始。
  • 対象商品と拠点:コピー用紙やペーパータオル、トイレットペーパー、ゴミ袋など37品目を、東京都新木場物流センターと大阪市内のASKUL大阪DCから出荷。
  • 顧客への個別連絡:対象となる顧客には個別に連絡し、注文対応を行う体制を構築。
  • 今後の展開:試験運用の結果を踏まえ、対象顧客や商品数の拡大を検討し、進捗は継続的に告知予定。

技術的な詳細や背景情報

ランサムウェアは、感染したシステムのデータを暗号化し、復号のために身代金を要求する悪質なマルウェアの一種です。今回の攻撃によりアスクルの倉庫管理システムが停止し、通常のITシステムを使った受注・出荷処理が不能となりました。

このため、アスクルはITシステムに依存しない手動処理を模索。ファックスを活用した注文受付と出荷指示の仕組みを新たに構築し、システム復旧までの暫定対応として運用を開始しました。

なお、子会社ASKUL LOGISTの顧客企業は今回の試験運用の対象外であり、影響は広範囲に及んでいます。

影響や重要性

アスクルは企業向けの物流サービスを提供しており、特に医療機関や介護施設など社会的に重要な顧客が多いことから、出荷停止は業務継続に大きな影響を及ぼします。今回の手動出荷試験は、サイバー攻撃による業務停止リスクに対する緊急対応策として重要です。

また、ITシステムに依存しすぎない業務継続計画(BCP)の一環として、手動処理のスキーム構築は今後のサイバー攻撃対策のモデルケースとなる可能性があります。

まとめ

アスクルはランサムウェア攻撃による倉庫管理システム停止の影響を受け、一部医療介護顧客向けにファックスを活用した手動出荷を試験的に開始しました。これはシステム復旧までの暫定措置であり、今後は対象顧客や商品数の拡大を検討しています。

今回の事例は、サイバー攻撃による物流業務停止のリスクと、それに対する柔軟な対応策の重要性を示しています。企業はIT依存度の高い業務においても、緊急時の手動対応策を準備することが求められます。

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