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グーグル、AndroidのAIで月間100億件以上の詐欺メッセージを遮断

出典: The Hacker News – https://thehackernews.com/2025/10/googles-built-in-ai-defenses-on-android.html

原題: Google's Built-In AI Defenses on Android Now Block 10 Billion Scam Messages a Month

AndroidのAI技術が月間100億件以上の詐欺メッセージをブロック

グーグルは、Androidに組み込まれた人工知能(AI)技術を活用し、世界中のユーザーを詐欺メッセージや悪意ある通話から毎月100億件以上保護していることを発表しました。さらに、SMSの進化版であるリッチコミュニケーションサービス(RCS)においても、1億件以上の疑わしい番号の利用を未然に防いでいます。

主要なポイント

  • AIによる自動スパムフィルタリング:Android端末内のAIが既知のスパムを検知し、Googleメッセージアプリの「スパム&ブロック」フォルダに自動で移動させることでユーザーを保護。
  • 安全なリンク機能の導入:スパム判定されたメッセージ内のURLに対し、ユーザーがクリックする際に警告を表示し、有害サイトへのアクセスを防止。
  • 詐欺メッセージの多様化と巧妙化:雇用詐欺が最多で、次いで金銭目的の請求詐欺や投資詐欺が多発。グループチャット形式での詐欺メッセージも増加している。
  • 詐欺の時間帯・曜日の傾向:米国太平洋時間の早朝から午前中にかけて活動が活発化し、特に月曜日の朝がピーク。
  • 詐欺手法の特徴:「スプレー&プレイ」戦術で大量にばら撒き急かす手法と、「ベイト&ウェイト」戦術で時間をかけて信頼を築く個別ターゲティングの二種類が存在。

技術的な詳細や背景情報

グーグルの詐欺対策は、端末内で動作するAIによるリアルタイムのスパム検知に加え、RCSのプロトコルを活用した疑わしい番号のブロックも行っています。RCSは従来のSMSよりも多機能で、メッセージの送受信に画像や動画、既読確認などが可能な次世代通信規格です。

また、Googleメッセージアプリの「安全なリンク」機能は、スパムと判定されたメッセージ内のURLをクリックしようとした際に警告を表示し、ユーザーを悪質なウェブサイトから守ります。これにより、URL短縮サービスで隠された危険なリンクのクリックを未然に防止しています。

詐欺メッセージは「スプレー&プレイ(Spray and Pray)」戦術で大量に送信され、緊急性を装った文言でユーザーを急かします。一方、「ベイト&ウェイト(Bait and Wait)」戦術は、時間をかけてターゲットと信頼関係を築き、最終的に詐欺を仕掛ける高度な手法です。これにはロマンス詐欺などが含まれます。

詐欺師は、盗まれた個人情報をダークウェブで入手し、Phishing-as-a-Service(PhaaS)と呼ばれる詐欺キットや大量配信サービスを利用して攻撃を実行しています。これらのインフラは詐欺メッセージの大量送信を支えています。

影響や重要性

詐欺メッセージは個人情報や金銭の損失を招き、被害者の生活に深刻な影響を与えます。特に雇用詐欺は、仕事を探す人々を狙い、偽の求人情報で個人情報を盗むケースが多発しています。これらの詐欺は巧妙化し、グループチャットを利用するなど受信者の警戒心を下げる手口も増えています。

グーグルのAI技術による自動検知とブロックは、こうした詐欺被害の拡大を防ぐ重要な役割を果たしています。詐欺メッセージの送信時間帯や曜日の傾向を把握することで、より効果的な対策が可能となり、ユーザーの安全性向上に寄与しています。

まとめ

グーグルはAndroidのAI技術を駆使し、毎月100億件以上の詐欺メッセージや悪意ある通話からユーザーを保護しています。進化した通信規格RCSの活用や安全なリンク機能の導入により、詐欺の未然防止に努めています。詐欺手法は多様化・巧妙化しており、ユーザー自身も警戒心を持つことが重要です。今後も最新技術と分析に基づく対策が、詐欺被害の減少に向けて不可欠となるでしょう。

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