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ユーロポール主導のOperation Endgameがラダマンシス情報窃取マルウェアを壊滅

出典: Graham Cluley – https://www.bitdefender.com/en-us/blog/hotforsecurity/operation-endgame-disrupts-rhadamanthys-information-stealing-malware

原題: Operation Endgame disrupts Rhadamanthys information-stealing malware

ユーロポール主導の「オペレーション・エンドゲーム」がラダマンシス情報窃取マルウェアを壊滅

国際的なサイバー犯罪対策の取り組みとして、ユーロポールが調整した「オペレーション・エンドゲーム3.0」により、情報窃取型マルウェア「ラダマンシス」を含む複数のサイバー犯罪インフラが壊滅されました。本記事では、この大規模な摘発の概要とその意義について解説します。

主要なポイント

  • 大規模なサーバー停止とドメイン押収:1000台以上のサーバーが停止され、20のドメインが押収されました。これにより、三大マルウェアプラットフォームの活動が著しく阻害されました。
  • 標的となったマルウェア:情報窃取型マルウェア「ラダマンシス」、リモートアクセス型トロイの木馬「ヴェノムRAT」、ボットネット「エリジウム」が摘発対象となりました。
  • 国際的な協力体制:30以上の国と民間企業が連携し、オーストラリアやアメリカ、欧州各国の法執行機関が参加。ビットディフェンダーなどのセキュリティ企業も協力しました。
  • 逮捕と家宅捜索:11件の家宅捜索が実施され、少なくとも1名の容疑者が逮捕。特にギリシャではヴェノムRATの開発者兼販売者が拘束されました。
  • 被害者への啓発と情報提供の促進:自身の感染状況を確認できるサイトの案内や、指名手配中のサイバー犯罪者の情報公開により、被害拡大防止と情報提供を呼びかけています。

技術的な詳細や背景情報

「ラダマンシス」は情報窃取型マルウェアで、感染したコンピュータからパスワードや認証情報を盗み出します。これらの情報は暗号通貨ウォレットへの不正アクセスに悪用され、ユーロポールは10万以上のウォレットが狙われ、数百万ユーロ相当の被害が懸念されていると報告しています。

「ヴェノムRAT(Remote Access Trojan)」はリモートアクセス型トロイの木馬の一種で、攻撃者が感染端末を遠隔操作できるようにします。これにより、さらなるマルウェアの展開やデータ窃取が可能となります。

「エリジウム」はボットネットで、多数の感染端末を一元管理し、DDoS攻撃やスパム送信などの犯罪活動に利用されます。これら三大プラットフォームは相互に関連し、サイバー犯罪の基盤を形成しています。

影響や重要性

今回の摘発により、数十万台の感染コンピュータが解放され、数百万件の盗まれた認証情報の流通が阻止されました。これにより、ランサムウェア攻撃の基盤となる情報共有が減少し、被害者が自身の感染に気づく機会が増えることが期待されます。

また、国際的な連携による摘発は、サイバー犯罪のグローバルな脅威に対抗するモデルケースとなり、今後の犯罪組織の活動抑制に寄与します。しかし、犯罪組織は新たなマルウェアや亜種を開発し続けるため、継続的な警戒と防御が不可欠です。

まとめ

ユーロポール主導の「オペレーション・エンドゲーム3.0」は、ラダマンシスをはじめとする主要なサイバー犯罪インフラの壊滅に成功しました。国際的な協力と技術的な対策が結実した成果ですが、サイバー犯罪の根絶には至っていません。ユーザー自身も感染チェックやセキュリティ対策を強化し、今後の攻撃に備えることが重要です。

今回の成功を契機に、より安全なインターネット環境の構築に向けて、引き続き警戒と協力を続けていく必要があります。

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